占星術の窓から

中年の危機② 心の声を聴くとき~海王星編~

40代あたりから、わたしたちは

ミッドライフ・クライシス

ー中年の危機というものを体験します

 

そのあたりで

人は人生の重要な転換期を迎えるといわれてます

 

占星術的にみると

出生図(ネイタル)の土星、天王星、海王星、冥王星と

トランジット(現在運行中)の同天体とが

特定の角度を結ぶときがありまして

そのとき、ミッドライフ・クライシスが訪れるといわれます

 

今回は、海王星についてです

 

海王星の公転周期は約165年で

だいたい41才のときに

ネイタル海王星とトランジット海王星が

スクエア(90度)になります

 

海王星は、無意識の領域

深い精神活動を司る星です

 

目にみえない世界のことなので

「曖昧」「幻想」「つかみどころがない」ため

ミッドライフにおいては

孤独感や虚無感にさいなまれるようになります

 

前回書いた冥王星は

良い悪いは別にして

とにかく、個人的に抗いようもなく

圧倒的な強制力で変容を促してきますが

 

海王星は

まるで深い霧の中にいるような感覚で

自分自身の存在の理由や価値までも

希薄であいまいになってしまうのです

 

自己憐憫、虚無感、孤独、喪失感

自分の輪郭がわからなくなってしまうような感覚です

 

得体が知れない、という意味では、

海王星は冥王星よりもこわい星かもしれません

 

わたしもこの時期、たしかに

どうにもならない無価値感

虚無感にさいなまれていました

そして同時に

内観や瞑想

精神世界への探求が深まっていった時期でもあります

 

海王星の発見は

フロイトによる無意識の発見と同期しています

つまり

人間の中にある心の深い部分

精神的、霊的な部分に焦点が当てられ始めたのです

 

わたしたちが見ている現実の世界は

全宇宙の実在からみたら

ほんのわずかな比率しかなくて

その奥深くには

とてつもなく深淵広大な無意識の領域がある

 

わたしたちは、なぜ苦悩するのでしょうか?

 

 

わたしたちはさまざまな苦悩を抱きますが

継続しつづける苦悩は

「この目に見える現実こそがすべて」

という信念から来ているのではないでしょうか

 

苦悩しつづけた先に見出すのは

この目に見える現実は

「目に見えない世界の写し絵」

だという理解です

 

ほんとうの世界は、実在の世界は

どちらなのか?

 

それを海王星は突き付けてくるのです

 

そんな問いを人生のうちでする人は

ほとんどいないかもしれませんが

 

それは、苦悩と葛藤によって

「現実世界をあきらめる」

ことによって自ずと見えてくるものです

 

この世的な指標

お金持ちだとか、学歴があるとか、社会的地位があるとか

そんなことによって充足を得ようとしているうちは

海王星は正当な形でははたらかないのです

 

現実世界を軽視しろとか

捨てろとか言ってるわけじゃありません

 

その後ろにはたらいている

見えない世界の意思を感じ取ること

それを、海王星は促しているのです

 

だから

この得体のしれない不安を消そうとして

やみくもにがんばったり

計画通りに事をすすめようとしてもムダです

この世的な努力は、一切通用しません

 

だから

自分の内面に目をやり、心の声を聴く

今まで目を向けてこなかった

無意識の領域に、光をあててみたらどうか

 

そう、海王星は語りかけてくるのです

 

日記を書いたり

本を読んで心に残ったところを書き写したり

できるならば瞑想したりして

自分だけの、内面と向き合う時間を大切にする

 

自分の無意識に目を向け

今まで氣づかなかったことに氣づくことによって

闇に光がもたらされ

無意識の海は暴れ出さなくなります

 

こうして

自分の内面と向き合うことによって

いつしか海王星の嵐は過ぎ去ります

そして

この後の人生は、より深みを増して

あなたを本チャンの人生へと運んでくれるでしょう

 

ミッドライフクライシスは

星のエネルギーを取り込む絶好の機会なのです

 

りらの響き  案内人 かみゆうりら