老子道徳経
-第78章-
この世に水より柔らかくて弱弱しいものはないけど
硬くて強いものを攻めるとき
それに勝るものはない
つまり、水は、最強だということだ
弱弱しいものが強いものに勝ち
柔らかいものが硬くて剛いものに勝つことは
みんな知ってる
でも、それを実際に行う人はいない
タオの人はいう
社会の汚辱をその身に引き受ける人
そういう人は国の主だ
国の至らないところを引き受ける人
そういう人は世界の王なのだ
真実の言葉は
世間の正しさとは反するようにみえる
神遊りら 訳
![](http://megaminomezame.com/wp-content/uploads/2022/10/E293F068-1039-48BB-BC4A-EB27881F0EFD.jpeg)
柔よく剛を制す
たしかに
わたしたちはこの言葉を知ってる
でも、アタマで知ってるだけだ
ハラから理解してるわけじゃない
ましてや、実行してない
剛に対して
剛で対応すれば
火花が散る
剛に対して
柔で対応すれば
それは、ゆるゆるとかわされていく
どこまでいっても
剛の人は柔の人を制することはできない
柔の人は
戦わずして勝利している
谷のように身を低くして
あらゆる汚れを引き受ける
今の世の中のトップの人たちとは
真逆のタイプ
人の上に立つ真の王は
ほんとうはそういう人なんだろうね
まあ、そんなリーダーなんていないって
嘆きたくなるけどね
でも、どうかな
これからの時代
そういう人が現れる兆しは
見えている氣がするんだよね
あそびとせむとやうまれけむ
神遊りら
![](http://megaminomezame.com/wp-content/uploads/2022/10/E293F068-1039-48BB-BC4A-EB27881F0EFD.jpeg)
天下水より柔弱なるは莫(な)し
而も堅強を攻むる者
これに能く勝る莫し
其の以てこれを易(か)うるもの無きを以てなり
弱の強に勝ち
柔の剛に勝つは
天下知らざる莫きも
能く行う莫し
是を以て聖人は云う
国の垢を受く
是れを社稷(しゃしょく)の主と謂(い)い
国の不祥(ふしょう)を受く
これを天下の王と謂う、と
正言(せいげん)は反するが若(ごと)し
(老子 金谷治著 講談社 書き下し文より引用)