女神たちのタオイズムー老子道徳経

老子道徳経-第72章-フリー・ユア・エナジー

老子道徳経

-第72章-

 

人びとが公の威光を畏れないようになると

世は乱れ天罰がくだる

 

人びとの住むところを狭めない

生き方を押さえつけない

こうして、人びとを押さえつけないから

治める側も人びとから圧力を受けることもない

 

だから

タオの人は

それをわきまえて、自分を押し出したりしない

自分を大切にしながらも、偉そうにしない

人びとを押さえつけるような治め方はしないんだ

 

神遊りら 訳

 

厳しく監視し、厳しい罰を与える

そうしないと

人間は怠けるし、堕落するとされてきた

だから

上に立つ人たち

指導する人たちは

人びとを従わせようと

圧力をかけてきた

 

その圧力はどこへいくのだろうか

その圧力が

人びとのやる氣を生むだろうか

 

矯正、強制の圧力は

人びとのエネルギーを奪う

 

エネルギーは

自発的なものだ

自在性、自由

それによって、エネルギーは拡大するのに

 

押さえつけられたエネルギーは

発露を求めて爆発する

世の中は乱れる

 

だから、押さえつけたらいけない

抑圧してはいけないのに

この世界は

抑圧する、抑圧されることが当たり前になってる

 

抑圧されたエネルギーは死なない

どこかに発露を求める

世界は荒れる

荒れ続ける

 

だからもう

やめにしないか

他人を抑圧することも

他人から抑圧されることも

自分自身を抑圧することも

それらはすべて同じだ

 

ただ自然のままに

自発的にエナジーが向く方向へと

自分を自由にしてやってほしい

 

抑圧と解放によってバランスをとる

そんな極端なやり方はそろそろやめよう

 

まずは自分の中で当たり前になっている

その抑圧に氣づくことだ

 

あそびをせむとやうまれけん

神遊りら

 

 

 

民威を畏れざれば

則ち大威至る

 

其の居る所を狭めること無く

其の生くる所を厭(あっ)すること無かれ

夫れ唯だ厭せず、是を以て厭せられず

 

是を以て聖人は

自らを知りて自ら見(あら)わさず

自ら愛して自ら貴しとせず

故に彼れを去(す)てて此れを取る

(老子 金谷治著 講談社 書き下し文より引用)