老子道徳経
-第55章-
タオのパワーに溢れるひとは
赤ちゃんみたいだ
蜂もささない
さそりや蛇のような毒虫にもさされない
猛獣や猛禽にも襲われない
骨は弱くて筋肉も柔らかいのに
握るチカラはすごい
男女の交わりなんて、もちろん知らないのに
おちんちんはピンと立つ
一日中泣いていても声もかれないのは
調和がとれているからだ
調和を知るとかわらず、くつろいでいられる
そうして
いのちのエネルギーを養うことがよろこびになる
無理強いして心のエネルギーを消耗すると、固くこわばる
強くてたけだけしいものは老い衰えるのも早い
タオの道からはずれてる
そんなものは長続きしないんだ
神遊りら
![](http://megaminomezame.com/wp-content/uploads/2022/11/0219B1EC-6BE2-49AD-AEE9-EAC8A4A8FAB4.jpeg)
あかちゃんって、ほんとにすごい
わたしは二人の息子を育てさせてもらったけどね
この世に生まれて一番のよろこびは何だ、ときかれれば
間違いなく
「この子どもたちの母になれたこと」と応える
赤ちゃんは、純粋なエネルギーのかたまりだ
ただあるがままに存在し、動く
エネルギーに充ち溢れたものは
かわいらしく、美しい
その無垢さが
わたしたちを、当然のように魅了する
完璧なまでに調和がとれている存在だ
タオとは、バランス
常なる調和だ
ことさらに強くしようとか
善くしようとかしない
くつろいで、調和を保つことで
悦びはどんどん湧いてくるんだ
あそびをせむとやうまれけん
神遊りら
![](http://megaminomezame.com/wp-content/uploads/2022/11/0219B1EC-6BE2-49AD-AEE9-EAC8A4A8FAB4.jpeg)
含徳の厚きは
赤子(せきし)に比す
蜂蠆虺蛇(ほうたいきだ)も螫(さ)さず
猛獣も拠(おそ)わず
攫鳥(かくちょう)も搏(う)たず
骨は弱く筋は柔らかくして
而(しか)も握ること固し
未だ牝牡(ひんぼ)の合を知らずして
而も全(さい)の作(た)つは
精の至りなり
終日号(さけ)びて
而もかれざるは
和の至りなり
和を知るを常と曰い
常を知るを明と曰う
生を益すを祥と曰い
心氣を使うを強と曰う
物は壮(さかえ)なれば則ち老ゆ
是れを不道と謂う
不道は早く已(や)む
(老子 金谷治著 講談社 書き下し文より引用)