占星術の窓から

中年の危機①絶望は、飛躍の扉~冥王星編~

40代あたりになると

ミッドライフ・クライシス

ー中年の危機というものを

私たちは体験します

 

そのあたりで

人は人生の重要な転換期を迎える、と

 

わたしは今、50代だけど

たしかに40代は

ほんとうにいろんなことがありました

カラダが死んだわけじゃないけど

精神的な「死」というものを

何度も体験した氣がします

 

占星術的にみると

出生図(ネイタル)の土星、天王星、海王星、冥王星と

トランジット(現在運行中)の同天体とが

特定の角度を結ぶときがありまして

そのとき、ミッドライフ・クライシスが訪れるといわれます

 

ではまず、冥王星について

 

ネイタル冥王星とトランジット冥王星が

スクエア(90°)の角度をとるときの年齢は

大体36才から40才くらいです

 

ただし

冥王星は、軌道が円形ではないので

年代によってスクエアの角度をとる年齢が変わり

今の若い世代は、もうちょっと

年齢が高くなるようです

 

寿命も延びてきているので

50代くらいがミッドライフになるかもしれないですね

 

冥王星は、「破壊と再生」の星といわれます

 

人生を根底から覆し

変化を超えて「変容」を促す星です

 

それまでの価値感が死んで

新しい自分に生まれ変わる

ほんとうの意味での

「自立」を余儀なくされるのです

 

40代、というと

世間一般からみれば

いい年のおじさん、おばさんで

若い人からみれば、すっかり落ち着いている年だと思われるかもしれませんが

心の面では多分、一生のうちで一番葛藤が大きくて

青年期の目に見える自立とはちがう

「たましいレベルの自立」がテーマになってきます

 

冥王星は、太陽から最も遠い場所にある

孤独の星であり

外宇宙の情報を取り込み、

内宇宙へと持ち込む星でもあります

 

たったひとりで都合の悪い状況に対峙して

誰にも理解されなくても

孤独に耐えうるという

最強のエネルギー状態にある星です

 

冥王星が強くはたらくとき

不具合を対症療法的に修理するという

この世的なやり方は通用しなくなります

今までのやり方をぶっこわして

「ゼロからスタート」するイメージです

 

今まで、こまったことが起こると

何かのせい

だれかのせい

にしてきたかもしれませんが

 

ただ独り立ち

「他責」から脱出すること

冥王星は促しているのです

 

だから

葛藤はいまだかつてないほど強くなります

ぶちあたる状況は、困難を極めるかもしれません

 

それから逃げるか、向き合うか

選択は自由ですが

 

そのときの、だれのものでもない

あなただけの独自の選択

唯一無二のスタイル

そして、その選択を尊重し続けること

それが

今後の人生の明暗を分けることになります

 

ゼロ地点にまで落ちたとき

わたしたちは

自分のうちに眠る不死性

生命力のきらめきに出逢います

 

 

それは

隠されてきた究極の神秘

究極の理解です

 

古い自分の死

そして、新しい自分の誕生

 

わたしたちは

死と再生を一刹那ごとに繰り返し

それによって

エネルギーを得ている存在です

 

冥王星は

私たちが不死の存在であること

何度も生まれ変わりながら

自分のうちに

「ゼロから創造する力」があることを

教えてくれる星なのです

 

だから、心配無用

どうにもならない葛藤や苦しみは

絶望の果てにある

次の次元への、飛翔の入り口だということを

 

どうかいつも忘れないでいてください

 

~りらの響き~ 案内人 神遊(かみゆう)りら